研究概要 |
(1)非動物由来で、分子同士を架橋構造によって安定化させたヒアルロン酸、Non-Animal Stabihzed Hyarulonic Acid (NASHA)(Q-med社、スウェーデン)をパクリタキセルに混合した薬剤をマウス腹腔内投与すると、腹腔内停留性、抗癌作用の増強効果を認めた。 (2)パクリタキセルを高分子ポリマーPMB30Wにて溶解したものを、マウス腹腔内投与すると、腹膜転移巣における薬剤の浸透性の増加と抗癌作用の増強効果を認めた。蛍光パクリタキセルを用いて、PMB30W溶解パクリタキセルは播種結節表面より1mmの深部まで直接浸潤し、極めて高濃度の薬剤が集積し,近傍の癌細胞の核断片化をもたらすことが証明した。また、経静脈投与と比べて腹腔内投与はより高濃度の薬剤分布をすることが判明した。
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