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2008 年度 実績報告書

CXCR4/CXCL12とHBーEGFを標的とした胃癌標的治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20591565
研究機関金沢大学

研究代表者

安本 和生  金沢大学, 附属病院, 講師 (90262592)

キーワード胃癌 / 癌性腹膜炎 / CXCR4 / CXCL12 axis / 分子標的治療 / HB-EGF / Amphiregulin / EGFR / EGFR ligands
研究概要

胃癌腹膜播種は、最も難治性の病態で効果的な治療法も見出されていない。我々は、CXCL12/CXCR4 axisの本病態への関与を初めて明らかにした(Cancer Res 2006)。今年度は、CXCL12をはじめ癌性腹水中に豊富に存在する病態増悪因子(増殖因子)に着目し、その同定と臨床的意義について検討した。その結果、がん性腹水中にはCXCL12,VEGF,TGFβ,HB-EGF, Amphiregulinが豊富に存在することが判明した。一方、EGF,TGFαは測定感度以下であった。ヒト胃癌細胞株の細胞培養上清中にはCXCL12は検出されないが、HB-EGF, Amphiregulinが豊富に存在した。この培養上清中HB-EGF蛋白誘導能とマウス移植腹膜播種形成能には明らかな関連性が確認された。腹膜播種標的臓器(細胞)である腹膜中皮細胞からCXCL12が、繊維芽細胞からはCXCL12のみならずAmphiregulinが産生誘導されることが新たに判明した。これらEGFRリガンド(HB-EGF、Amphiregulin)には、ヒト胃癌細胞に対する極めて高い増殖活性が存在した。さらに、マウスXenograft腹膜播種モデルを用いた検討で、抗ヒトEGFR抗体投与により腹膜播種形成が有意に抑制されることが判明した。胃癌腹膜播種発症にはCXCR4/CXCL12 axisとともにEGFRリガンドであるHB-EGFやAmphiregulinが非常に強力な増殖因子として癌細胞ならびに間質細胞から産生誘導され病態形成に深く関与することが推察された。さらに、動物モデルを用いた腹膜播種発症の抑制が確認されたことで胃癌腹膜播種に対しEGFRをターゲットとした新たな分子標的治療の可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Recent advances in molecular mechanisms of gastric cancer metastasis -Role of the chemokine receptor CXCR4 in peritoneal carcinoraatosis□2009

    • 著者名/発表者名
      Kazuo Yasumoto
    • 雑誌名

      RESEARCH SIGNPOST (In press)

  • [学会発表] Role of CXCR4/CXCL12 axis and EGFR ligands in peritoneal carcinomatosis of gastric carcinoma2008

    • 著者名/発表者名
      安本和生
    • 学会等名
      日本癌学会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2008-10-28
  • [図書] 胃癌-基礎・臨床研究のアツプデート-2008

    • 著者名/発表者名
      安本和生
    • 総ページ数
      127-130
    • 出版者
      日本臨床

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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