研究概要 |
これまでのわれわれの検討から胃癌癌性腹膜炎発症進展におけるCXCR4/CXCL12 axisの関与が明らかとなった。そこで本研究では、癌性腹水中に存在する癌細胞増殖因子、とくにEGFR ligand axisに着目した。本研究結果から、癌性腹水中にはEGFRリガンド中でamphiregulin、HB-EGFが多量に存在し、CXCR4発現胃癌細胞(EGFR高発現)に対して強力な細胞増殖作用を有すること、すなわちEGFR/EGFR ligand axis (amphiregulin, HB-EGF)が、胃癌性腹膜炎形成に重要な役割を果たし、CXCR4/CXCL12 axisとの相互促進作用を介して、本病態の発症進展に深く関与することを初めて明らかにした(Clin Cancer Res 2011 in press)。
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