研究概要 |
当該年度は前年度に引き続き,開発したウイルスの機能解析と臨床研究プロトコールを作成した. 具体的には,以下の(1),(2)である. (1) 開発したウイルスの機能解析を行ううえで切除標本での解析が今後の臨床応用を実現するうえで需要と考え,新鮮切除胃癌摘出標本におけるウイルスの感染力,複製能を検討した.その結果,胃癌の分化度などによりかなりの相違が認められた. (2) 平成21年度内に完成したスキルス胃癌に対する新規ウイルス療法の基礎的検討の解析の結果,安全性が確認し,前年度医より作成を始めた第I相臨床試験のプロトコール作成すすめた.その中でいくつかの問題点が抽出された.本研究は,その性格上,ウイルス療法と遺伝子治療が組み合わされた治療法であるため,従来よりも詳細な計画書の作成が必要であった.そこで,我が国で臨床応用が予定されているT-01の臨床計画や,米国でのウイルス療法,遺伝子治療の実際の現場における情報収集も積極的に行い,実益の高いプロトコールに仕上げているところである.
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