当教室では、ファージライブラリー(以下PL)を用いたバイオパンニング(以下BP)を行い、消化器癌標的治療への応用を研究し、その結果を報告してきた。 消化器癌患者切除標本よりマイクロダイセクションで得られた癌組織を用いてBPを行い、その患者の癌組織に特異的結合を示すペプチドを同定し、その方法論とともに報告した。この結果はJournal of Drug Targeting誌に論文掲載された。(Naoki Kubo et al.Identification of oligopeptide to colon cancer cells separated from patients using laser capture microdissection.Journal of Drug Targeting 2008;16:396-404) また、胆管癌においてヒト胆管癌由来細胞RBEを用いてBPを行った。その結果得られたCC結合ファージのDNA解析およびRBEへの結合試験により、胆管癌結合ペプチド(CBP)のアミノ酸配列を同定した。フルオルセン付加CBPペプチドを合成し、CC細胞株およびCC組織への結合性を免疫染色で検討し、特異的に結合した。ビオチン付加CBPペプチドを合成し、pull down法にてCBPペプチド結合物質を同定し、クラスリン重鎖であることが判明した。
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