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2008 年度 実績報告書

腹腔鏡手術は低侵襲か?-炭酸ガス気腹による細胞機能変化の分子生物学的解析ー

研究課題

研究課題/領域番号 20591590
研究機関広島大学

研究代表者

池田 聡  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 寄附講座講師 (60397924)

研究分担者 岡島 正純  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 寄附講座教授 (90274068)
キーワード腹腔鏡手術 / 低侵襲手術 / 分子生物学
研究概要

本研究の目的は、一般的に「低侵襲」と考えられている腹腔鏡手術が本当に低侵襲なのか、またその低侵襲であるメカニズムは何なのかを明らかにすることである。さらにはこのメカニズムを解明することで腹腔鏡手術をより低侵襲で腫瘍学的にも優れた手術に発展させることを目的としている。
まず、私共はブタを用いて炭酸ガス気腹の肝機能に及ぼす影響を解析した。炭酸ガスによる気腹によって腹腔内は高度のアシドーシス状態となり、それに伴って門脈血のpHも低下することを明らかとした。さらにこれらの影響で肝臓の代謝を反映していると考えられるケトン体比などの肝機能も影響を受けていた。組織学的には中心静脈周囲を中心に脂肪変性などの病理的変化が起こっていた。これらの結果は炭酸ガスによる気腹が肝機能に悪影響を与えているという結果である。しかし、進行癌手術に際してこれらの因子は転移を抑制する方向に働く可能性も考えられた。
次に培養細胞を用いて、炭酸ガス気腹環境を再現できる装置を用いて細胞の運動能や浸潤能を観察した。炭酸ガスによる気腹によって細胞の運動能・浸潤能ともに低下していた。これらの現象は癌の転移・再発を抑制する方向に働く可能性があると考えた。
上記の結果を踏まえて、現在、ラット気腹モデルを作成し、低酸素応答・アシドーシス応答に重要な役割を果たす転写因子HIFの気腹下での発現を解析中である。また、培養細胞を用いて気腹による細胞運動能・浸潤の低下の分子機構および癒着に関与するPAIなどの発現変化の解析を行っている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Abscess noted in the inguinal hernial sac after an operation for peritonitis2009

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Ikeda, et al.
    • 雑誌名

      World Journal of Gastroenterology 15(8)

      ページ: 1007-1009

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大腸外科領域における内視鏡下手術2009

    • 著者名/発表者名
      池田 聡
    • 雑誌名

      広島医学 62(2)

      ページ: 58-62

    • 査読あり
  • [学会発表] 腹腔鏡下および開腹大腸癌手術のコスト比較と補助化学療法のコスト試算2009

    • 著者名/発表者名
      池田 聡ら
    • 学会等名
      第70回大腸癌研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-01-16
  • [学会発表] Our procedures and devices for laparoscopic surgery for advanced colorectal cancer2008

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Ikeda
    • 学会等名
      11th World congress of Endoscopic surgery
    • 発表場所
      Yokohama
    • 年月日
      2008-09-05
  • [学会発表] 進行大腸癌に対する腹腔鏡下手術定型化への試み2008

    • 著者名/発表者名
      池田 聡ら
    • 学会等名
      第63回日本消化器外科学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2008-07-16

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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