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2010 年度 研究成果報告書

イノシトール3リン酸受容体発現と大腸癌における転移、術前化学療法との関連について

研究課題

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研究課題/領域番号 20591598
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 消化器外科学
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

平田 敬治  国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (70269059)

研究分担者 柴尾 和徳  産業医科大学, 第1外科, 助教 (10330987)
山口 幸二  産業医科大学, 第1外科, 教授 (50191226)
研究期間 (年度) 2008 – 2010
キーワードカルシウムシグナリング / IP3レセプター / 大腸癌 / 細胞増殖 / アポトーシス
研究概要

イノシトール3リン酸レセプター(IP3Rs)は滑面小胞体の細胞膜に存在し、細胞内へのカルシウム放出に関与している。細胞内カルシウムシグナリングは重要な細胞機能に関与しているため、IP3Rsの発現もまた細胞機能に深く関与しており、アポトーシスや細胞増殖、分化との関連も示唆されている。IP3レセプターには1型から3型の3種類のサブタイプが存在し、胆汁うっ滞性疾患で発現が減少するなど病因との関係が明らかになってきているが、大腸癌を含めたヒト癌組織におけるIP3R 発現の意義については未だ検討されていない。そこで、我々は大腸癌切除例における3型IP3Rの発現を免疫組織学的に評価し、臨床病理学的解析、分子生物学的解析を加え検討した。1型、2型IP3Rは非癌部、癌部で発現を認めた。3型IP3Rは非癌部では発現が認められなかったが、癌部では過剰発現している症例を認めた。IP3R発現と臨床病理学的因子との検討では、1型、2型IP3R は関連を認めなかったが、3型IP3Rは腫瘍進達度、リンパ節転移、遠隔転移と相関関係を認めた。また、予後解析の結果、3型IP3Rは予後規定因子となることが明らかになった。以上より3型IP3R発現は大腸癌における新しい悪性度の指標となる可能性が示唆された。また、ヒト癌細胞株を用いてIP3R 発現を抑制、過剰発現させた実験でIP3R発現は、細胞増殖には、影響を与えないにも関わらず、アポトーシス耐性と関連する事が、今回明らかとなった。以上の結果より、IP3R発現はヒト癌治療における新しいターゲットとなる可能性が示唆された。我々の得た結果はCell Calciumに掲載された。更に現在、IP3Rと抗がん剤治療の関連性について興味ある知見を得ており、現在、解析を進めており、今後発表予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The type III inositol 1,4,5-trisphosphate receptor is associated with aggressiveness of colorectal carcinoma2010

    • 著者名/発表者名
      Shibao K, Fiedler MJ, Nagata J, Minagawa N, Hirata K, Nakayama Y, Iwakiri Y, Nathanson MH, Yamaguchi K
    • 雑誌名

      Cell Calcium 48(6)

      ページ: 315-323

    • 査読あり
  • [備考] ホームページ等

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公開日: 2012-01-26   更新日: 2015-07-22  

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