研究概要 |
1.マウス胎仔肝幹細胞分離 i)マウス胎仔肝での候補遺伝子発現解析 細胞凝集塊形成法に基づき、マウス胎仔肝より肝前駆/幹細胞分画を分離・濃縮した上で、蛍光励起セルソーターを用いて、CD49f+/Thy1-/CD45-細胞(肝前駆/幹細胞)を分離した。各胎齢に基づき、経時的に細胞を分離した上で、昨年度までにスクリーニングした肝幹細胞特異的遺伝子候補の発現をRT-PCRにより胎齢ごとに比較解析することにより、より未分化状態で発現量の多い遺伝子を検証し、肝幹細胞特異的表面抗原遺伝子候補を同定した。 2.マウス胎仔肝幹細胞の特性解析 i)マーカー遺伝子発現解析 上記のようにして新規に同定した肝幹細胞特異的表面抗原の発現に基づき、マウス胎仔肝前駆/幹細胞分画(CD49f+/Thy1-/CD45-細胞)からprospectiveに単離した肝幹細胞に対して、alpha-fetoprotein(AFP), albumin, CK19, FoxA2, GATA4などの未分化肝細胞マーカーやtyrosine aminotransferase (TAT), Tryptophan 2,3-dioxygenase (TO), Glucose 6-phosphatase (G6P)などの成熟肝細胞マーカー、さらにはalpha-smooth muscle actin(αSMA), desmin, Goosecoid, brachuryなどの中胚葉マーカーなどこれまでに同定されている各種分化マーカーに対するRT-PCRや免疫染色を行い、単離した細胞分画により未分化な内胚葉細胞が濃縮されていることを確認した。
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