研究概要 |
<癌特異的遺伝子:Nek2、FAK、TLKの基礎的研究> 胆管癌由来細胞株HuCCT1および膵癌由来細胞株Panc1におけるNek2,FAK,TLKのタンパク発現をウエスタンブロティング法により確認した。HuCCT1にNek2(NIMA related kinase2)を過剰発現させた細胞株HuCCT1/Nek2とPanc1にTLK(Tousled like kinase 1)を過剰発現させたPanc1/TLK1を樹立した。これらの細胞株を用いてウエスタンブロティング法によるNek2,FAK,TLKのタンパク発現およびMTTアッセイによる増殖能、トリパンブルー色素排出試験による細胞死などの機能解析を行ったところ、細胞培養中に突然細胞の増殖が低下したり、細胞死をおこすようになった。同時にHuCCT1/Nek2におけるNek2の発現低下も認められた。これまでの実験では見られなかった現象であり、詳細な検討をおこなった結果、細胞株HuCCT1/Nek2とPanc1/TLK1のマイコプラズマによる汚染が明らかになった。当初マイコプラズマ除去剤を用いて実験を継続したが、データがばらつき満足の行く結果を得ることができなかったため、再度新たな細胞株を樹立した。 <癌特異的遺伝子:Nek2,FAK,TLKを標的にしたsiRNAの開発> 胆管癌細胞株HuCCT1でのNek2 siRNA、FAK siRNA、TLK siRNAによる遺伝子発現の抑制効果について検討した。いずれのsiRNAによってもNek2、FAK、TLK1の抑制が可能であった。
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