膵癌のジェムシタビン効果を増強させるMMKY‐01の基礎的研究

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20591632
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 消化器外科学
• 研究機関: 佐賀大学
• 研究代表者: 北島 吉彦 佐賀大学, 医学部, 客員研究員 (30234256)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 膵癌 / 胆嚢癌 / ジェムシタビン / MMKY-01 / RRM1 / ユビキチン / TGF-β

研究概要

代表者は、抗アレルギー薬として臨床使用されているMMKY-01が膵臓癌および胆嚢癌のジェムシタビン感受性を増強することを見出した。本研究では、MMKY-01がユブキチンープロテアソームタンパク分解経路を介してジェムシタビン耐性分子RRM1を分解することでジェムシタビン感受性を増強させることを明らかにした。さらに、胆嚢癌細胞株を用いジェムシタビン耐性株を樹立しMMYK-01効果につき追加解析を行った。その結果、MMKY-01は単独でジェムシタビン耐性胆嚢癌細胞を強力にアポトーシスへと誘導した。これはMMKY-01によるTGF-β産生阻害効果によることが推測された。本研究は、膵癌および胆嚢癌の新規抗がん剤治療としてジェムシタビン+MMKY-01 併用療法が臨床応用可能であることを示すとともにジェムシタビン耐性克服としてのMMKY-01単独療法を推奨する基礎的知見を明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] Tranilast strongly sensitizes pancreatic cancer cells to gemcitabine via decreasing protein expression of ribonucleotide reductase 1. (2010)
  • 著者名/発表者名: Mayumi Mitsuno, Yoshihiko Kitajima, Kazuma Ohtaka, Keita Kai, Kazuyoshi Hashiguchi, Jun Nakamura, Masatsugu Hiraki, Hirokazu Noshiro, Kohji Miyazaki.
  • 雑誌名: Int J Oncol 36 ページ: 341-349
  • 査読あり
• [雑誌論文] Ribonucleotide reductase subunit M1 assessed by quantitative double-fluorescence immunohistochemistory predicts the efficacy of gemcitabine in biliary tract carcinoma. (2010)
  • 著者名/発表者名: Nakamura J, Kohya N, Kai K, Ohtaka K, Hashiguchi K, Hiraki M, Kitajima Y, Tokunaga O, Noshiro H, Miyazaki K.
  • 雑誌名: Int J Oncol 37 ページ: 845-852
  • 査読あり
• [学会発表] Gemcitabine耐性胆道癌細胞株におけるTranilastのApoptosis誘導作用の検討 (2009)
  • 著者名/発表者名: 橋口和義、北島吉彦、平木将紹、中村淳、能城浩和、宮崎耕治
  • 学会等名: 第20回日本消化器癌発生学会総会
  • 発表場所: オリエンタルホテル広島
  • 年月日: 20091126-20091127
• [学会発表] Gemcitabine耐性胆道癌細胞株におけるTranilastのApoptosis誘導機構についての検討 (2009)
  • 著者名/発表者名: 橋口和義、北島吉彦、平木将紹、中村淳、光野真由美、宮崎耕治
  • 学会等名: 第68回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜
  • 年月日: 20091001-20091003
• [学会発表] 膵癌におけるTranilastのRRM1発現抑制効果に基づいたTranilast+Gemcitabine(dFdC)併用療法の可能性 (2008)
  • 著者名/発表者名: 北島吉彦、光野真由美、橋口和義、中村淳、平木将紹、大塚隆生、神谷尚彦、宮崎耕治
  • 学会等名: 第19回日本消化器癌発生学会
  • 発表場所: 別府亀の井ホテル
  • 年月日: 20080828-20080829
• [学会発表] 胆道癌細胞株におけるTranilastのRRM1発現抑制効果を介したGemcitabine感受性増強作用 (2008)
  • 著者名/発表者名: 橋口和義、光野真由美、北島吉彦、大高和真、平木将紹、中村淳、神谷尚彦、中房祐司、宮崎耕治
  • 学会等名: 第108回日本外科学会定期学術集会
  • 発表場所: 長崎ブリックホール
  • 年月日: 20080515-20080517
• [学会発表] 膵癌に対するRRM1を分子標的としたTranilast+Gemcitabine併用療法の可能性 (2008)
  • 著者名/発表者名: 光野真由美、北島吉彦、平木将紹、橋口和義、中村淳、神谷尚彦、宮崎耕治
  • 学会等名: 第108回日本外科学会定期学術集会
  • 発表場所: 長崎ブリックホール
  • 年月日: 20080515-20080517
• [学会発表] Tranilast increased the drug effect of gemcitabine via protain degradation of RRM1 in pancreatic cancer cells. (2008)
  • 著者名/発表者名: Yoshihiko Kitajima, Mayumi Mitsuno, Kazuyoshi Hashiguchi, Jun Nakamnura, Masatsugu Hiraki, Kohji Miyazaki
  • 学会等名: AACR annual meeting 2008
  • 発表場所: San Diego, USA
  • 年月日: 20080412-20080416
• [備考] ホームページ等