研究課題/領域番号 |
20591640
|
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
佐竹 真 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70399153)
|
研究分担者 |
藤元 治朗 静岡大学, 医学部, 教授 (90199373)
黒田 暢一 静岡大学, 医学部, 講師 (20301658)
平野 公通 静岡大学, 医学部, 講師 (90340968)
宇山 直樹 静岡大学, 医学部, 助教 (70402873)
鈴村 和大 静岡大学, 医学部, 助教 (50434949)
|
キーワード | 膵臓癌 / ケモカイン / 血管新生 / レセプターシグナル / 増殖転移 |
研究概要 |
膵癌は手術症例においても、再発や転移が高頻度である。このため手術後の再発、転移を予防するためには新たな補助療法の手段の開発重要と考えらける。CXC chemokineはN末端にELR-motifを有するELR-positive CXC ligand (ELR+CXCL)とELRを有さないELR-CXCLの2つに大別るれ、ELR+CXCLはレセプター(CXCR2)と特異的に結合することにより血管新生を起こす。ELR+CXCLとCXCR2は癌の血管新生、転移に重要である事が証明されている。我々は膵癌におあても、ELR+CXCLが腫瘍の血管新生、転移に重要であると考え、膵癌症例におけるELR+CXCLとCXCR2の発現、また血管新生を抑制するCXCR3を比較検討した。膵癌細胞株BxPC-3, Mia-PaCa2, Panc-1上清液でELR+CXCLの発現を検討。膵癌患者血清ELR+CXCLを測定、正常者と比較。膵癌組織の免疫染色にてELR+CXCL、CXCR2、CXCR3の発現を観察、正常膵組織と比較。患者血清:正常検体(n-5)と比較すると、膵臓癌患者(n-29)ではELR+CXCLは有意に上昇していた。免疫染色:ELR+CXCLの発現は正常膵臓組織ではめられず、癌部にのみ強陽性を示していた。またCXCR2は膵癌組織で強発現しておりCXCR3の発現は抑制されていた。膵癌症例でも血清中のELR+CXCLの上昇が認められ、膵癌組織中ではELR+CXCLとCXCR2の発現が観察された。臓癌の血管再生やリンパ管増生を介した増殖や転移にはELR+CXCL、CXCR2が重要であると考えた。さらに膵癌でのELR+CXCLの発現はCOXsと深く関与しておりプロスタグランディン刺激によりCXCL産生が上昇することも確認された。向後、これらの機能解析を更に進めて行く予定である。
|