研究課題/領域番号 |
20591642
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
齋木 佳克 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50372298)
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研究分担者 |
川本 俊輔 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20400244)
田林 胱一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 名誉教授 (90142942)
芳賀 洋一 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00282096)
松永 忠雄 東北大学, 医工学研究科, 助教 (00396540)
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キーワード | 心臓大血管外科 / 生物・生体工学 / ナノマシン / 臓器虚血 / 酸素飽和度 |
研究概要 |
昨年度からの継続研究として、酸化型ヘモグロビンと還元型ヘモグロビンの吸光度特性の違いを応用した統合型マイクロフォトセンサ搭載光ファイバーカテーテルの改良(1)と作動状況の確認(2)を行った。 (1)に関しては、マイクロフォトセンサからの微弱信号を増幅するためのデジタル信号アルゴリズムを修正し、SIN比の向上とクラッタ成分の除去に成功した。 (2)に関しては、大動物としてイヌを用いた測定実験を行った。上記過程で作製した新しい深部臓器酸素飽和度測定カテーテルをテストするため、まず、肝臓・腎臓用に試作した光ファイバーカテーテルをイヌの全身麻酔下開腹実験でテストした。肝動脈、門脈、腎動脈を同定・剥離し、これらの血管を順次一時的に遮断し、肝と腎の背面に留置した試作したカテーテルで酸素飽和度を測定した。血流障害モデルとして、再灌流後も測定を行い、鋭敏に酸素飽和度変化を反映するかどうかを確認した。直接的酸素飽和度測定に成功したものの、両臓器表面の曲率半径が異なるためか、単位面積当たりの組織血流量が異なるためか、安定して鋭敏に酸素飽和度変化を反映しづらい結果であった。今後、それぞれの臓器別に最適なセンサ構造を見出す工夫が必要である。また、髄腔内挿入による酸素飽和度モニタリングに関しては、一定の酸素飽和度は得られたものの、継時的変化を捉えにくい結果であった。そのことはイヌの脊髄血流の特性によるものである可能性もある。さらに、送光用、受光用の信号伝搬部の剛性のために、脆弱で繊細な脊髄とその栄養血管を損傷するリスクを軽減するための構造設計が重要であることが判明した。
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