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2008 年度 実績報告書

小口径人工血管(2mm)吻合部狭窄に対するピオグリタゾンの抑制効果

研究課題

研究課題/領域番号 20591646
研究機関神戸大学

研究代表者

岡田 健次  神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (90284356)

研究分担者 大北 裕  神戸大学, 医学研究科, 教授 (40322193)
キーワード小口径人工血管 / ピオグリタゾン / 吻合部狭窄
研究概要

平成20年度は小口径人工血管の使用を予定していたが、小口径人工血管を入手できるまでの間に自己静脈を用いて以下の実験を施行した。ピオグリタゾンは経口投与した。(平成21年度 第109回日本外科学会定期学術集会にて口演予定)
【方法】ラット自家大腿静脈を用いた腹部大動脈置換モデルを作成し、これらをピオグリタゾン(3mg/kg/day)経口投与群(group A、n=6)と非投与群(group B、n=6)に分類した。術後8週目に、グラフトの血流速度と外径の拡張率を測定し、摘出静脈グラフトをHE染色、Elastica van Gieson染色およびα-SMA免疫組織化学染色にて病理組織学的に評価した。【結果】術後8週目において、ラット自家静脈グラフトはすべて開存していたが、ピオグリタゾン投与群では相対的グラフト血流速度(グラフト血流速度/腹部大動脈血流速度)が非投与群と比較して有意に速く(A, 0.77±0.05; B, 0.59±0.06; P<0.0001)、外径の拡張率は有意に抑制されていた(A, 23.1±4.8%; B, 41.3±5.7%; P=0.0001)。非投与群ではグラフト内膜および中膜が破綻し、不均一な新生内膜が形成していたのに対して、ピオグリタゾン投与群ではそれらが保持されて新生内膜の形成が抑制されていた(A, 14.7±3.3%; B, 29.9±7.2%; P=0.0008)。また免疫組織化学染色では、ピオグリタゾン投与群においてα-SMA陽性細胞が減少し、平滑筋細胞の増殖抑制が示唆された。【結論】ピオグリタゾンは、動脈再建に用いたラット自家静脈グラフトにおいて、グラフト拡張および内膜過形成を抑制し、グラフト血流速度を改善させた。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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