研究課題/領域番号 |
20591648
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
森景 則保 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (50335741)
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研究分担者 |
古谷 彰 山口大学, 医学部附属病院, 学術研究員 (90346552)
李 桃生 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50379997)
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キーワード | Ischemic preconditioning / 虚血再灌流障害 / 幹細胞 / 骨髄幹細胞 / 虚血プレコンディショニング |
研究概要 |
虚血プレコンディショニング(Ischemic Preconditioning : IPC)は先行する短時間の虚血により、その後に生じる虚血再灌流(I/R)障害を軽減する生体防御反応である。本研究ではIPCによる心筋保護効果に幹細胞が関与するか否かを解明することを目的とし、22年度は幹細胞が障害心筋に集積する際に重要なSDF-1/CXCR4系を阻害する介入実験を行った。GFP骨髄キメラマウスを用いて、遠隔臓器でのIPCモデル(Remote IPC : RIPC)を作製した。さらに、RIPC刺激の直後(early phase)と24時間後(late phase)に心筋I/R障害モデルを作製し、それぞれ、early群、late群とした。また、Sham開腹後にI/R障害を作製したマウスを対照群とした。CXCR4中和抗体もしくは非特異的抗体を、IPCの2時間前(early群)、22時間後(late群)、または、Sham開腹の2時間前に腹腔内投与した。I/R障害作製1および2週間後のlate群における左室内径短縮率は、CXCR4抗体投与群で非特異的抗体投与群と比較して有意に低かった(p<0.01)。しかし、early群および対照群の左室内径短縮率についてはCXCR4抗体投与による有意な差は認められなかった。組織学的解析でも、late群ではCXCR4抗体投与によって左室線維化面積率が増加していた(p<0.01)が、early群および対照群ではそうした変化は認められなかった。また、I/R障害24時間後のリスクエリアに集積した骨髄幹細胞(GFP陽性細胞)の数は、early群およびlate群でCXCR4抗体投与によって有意に減少していた(p<0.O1)。以上の結果から、中和抗体による骨髄幹細胞の集積の阻害によってlate群での心筋保護効果は抑制されるが、early群では影響を受けないことが分かった。
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