実績報告 心拍動下冠動脈3次元運動解析装置を用いて、ブタを用いた動物実験を行った。以下の条件が心拍動下冠動脈3次元運動におよぼす影響に関して検討した。 1) 人工呼吸換気条件 (ア) 一回換気量の増加に伴い3次元移動距離が増加することが確認された 2) カルシウムチャンネル遮断薬 (ア) 心拍動下手術に頻用される薬物であり、その影響は臨床的に興味深い。至適投与量を決定するための予備実験を施行した。 3) 心臓への静脈還流抑制 (ア) 回旋枝領域の冠血行再建の為には心臓を脱転する必要があり、その際に右心系の圧迫により静脈還流が減少する。その状態を再現し、冠動脈運動への影響を検討する。再現法として下大静脈圧迫法など各種方法を検討した。 4) 徐脈 (ア) 徐脈になれば外科的難易度は低下すると考えられているが、実際の3次元運動に与える影響は不明である。徐脈作成のための洞結節破壊法を検討した。 各テーマに関して、基礎的データが得られつつあり、各種実験条件などのプロトコールが決定される段階に達している。 来年度は決定されたプロココールに沿って実験を進める予定である。
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