研究課題/領域番号 |
20591655
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
金子 政弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (40433346)
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研究分担者 |
岡村 吉隆 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80245076)
前田 正信 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80181593)
和気 秀文 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50274957)
向阪 彰 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00458051)
西村 好晴 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70254539)
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キーワード | 急性心筋梗塞 / 心不全 / 血管内皮増殖因子 / タンパク質導 / タンパク質治療 |
研究概要 |
近年、増加している虚血性心不全に対して、アンギオポエチンファミリーのサイトカイン(特定機能蛋白質)を使用した遺伝子治療が一定の成果を挙げ、臨床応用されるに至っているが、これらの治療はまだ多くの問題を抱えている。遺伝子治療では、遺伝子が機能を発揮するまでにタイムラグがあり、急性期疾患には不向きである。また、遺伝子導入では発現たんぱく質の量がコントロールできない。そこで、心筋への特定機能蛋白質が導入可能であれば、現在の遺伝子治療の欠点を補充可能な、新しい治療法を開発できる可能性がある。我々は、脳の特定機能部位である神経核に蛋白質導入することに成功し(Neuroscience Letters,378 : 18-21,2005)、この技術を利用し、生体心筋への蛋白質導入に成功している(Annals of Thoracic and Cardiovascular Surgery accepted)。 心筋梗塞ラットを作成し、その梗塞部位と非梗塞部位でのVEGFの発現量をreal time polymerase chain reaction(RT-PCR)で測定した。梗塞部位でVEGF発現量が減少する一方で、VEGF受容体発現量が増加することがわかった。これにより、VEGFを梗塞部位に導入することにより、細胞内の生理的なプロセスを正常化できる可能性が示された。 急性心筋梗塞モデルラットを使用して実験を行った。梗塞部位にVEGFを心筋直接導入することにより梗塞範囲の縮小が見られた。VEGF心筋内直接導入法が将来有効な治療法になる可能性が示された。 Atsutoshi Hatada, et al. Direct protein transduction of vascular endothelial growth factor into cardiomyocytes reduced infarction areas in acute myocardial infarction rats.日本生理学会.2010年5月21日.盛岡で発表予定。
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