(1)目的:心臓手術において心臓停止後に起こる虚血再潅流障害は重大な問題となっている。ミトコンドリアに存在するMPTP(mitochondrial permeability transition pore)は虚血再潅流により開放され心筋細胞を死に至らしめる。このMPTP開放を抑制することが大きな心筋保護効果をもたらす事は成熟心筋において証明されているが未熟心筋での報告は少ない。本研究の目的は動物実験においてMPTP阻害剤の心筋保護効果を証明することである。 (2)内容:動物は生後間もないウサギとブタを使用する。前者はLangendorffモデル、後者は臨床に即した人工心肺モデルである。Langendorffモデルでは30分の常温虚血後の心機能、心筋障害を比較しMPTP阻害剤の効果とその有効濃度を調査する。後者ではより大がかりな実験になるが、臨床に近い条件で実験を行って、MPTP阻害剤の有効性を研究する。
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