研究課題/領域番号 |
20591673
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
永安 武 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80284686)
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研究分担者 |
田川 努 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (20363492)
山崎 直哉 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70404217)
土谷 智史 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30437884)
矢野 洋 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (50380887)
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キーワード | KGF / 気管軟骨 / 創傷治癒 / 肺移植 / 人工気管 |
研究概要 |
in vitroにおいて、rh-KGF(Keratinocyte growth factor)が軟骨細胞増殖を促進することはすでに確認報告している。また、気管軟骨欠損モデルでは暴露される気管内分泌物の影響もあり、軟骨再生促進が得られないことをすでに確認していたため、今回縫合モデルでの局所投与を行った。 rh-KGF投与方法としては、ハイドロゲルシートを用いることで、その徐放性投与が可能となる。ラットを全身麻酔下に頚部皮膚を縦切開し気管を露出後、第3、4軟骨輪間で切離し合成吸収糸にて気管吻合を行い、同部へrh-KGFを局所投与し、その効果を検討した。rh-KGF10μgを含浸させた5mnm角のハイドロゲルシートで欠損部を被覆し、術後3、5、7、14、28日後の気管軟骨を摘出し、その創傷治癒の経過を観察した。結果、コントロール群とKGF投与群では軟骨再生に有意差が認められなかった。KGF、KGF受容体、PCNA免疫染色でも差を認めなかった。 しかし、結果的に気管軟骨再生を誘導することができなかった。局所の大きさによって、被覆するべきハイドロゲルシートの大きさと、投与可能な薬液量が決定しており、今回のモデルにおける局所投与量としてKGF10μgは最大量であったが、局所における軟骨再生を促進するには不足であったのかもしれない。また周囲組織からの滲出液が多いこともKGFの効果が得られなかった一因と思われた。
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