研究課題/領域番号 |
20591681
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鐙谷 武雄 北海道大学, 大学院・医学研究科, 非常勤講師 (80270726)
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研究分担者 |
岩崎 喜信 北海道大学, 名誉教授 (00113522)
飛騨 一利 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (10238305)
黒田 敏 北海道大学, 病院, 講師 (10301904)
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キーワード | 脳微小血管 / 血管内皮細胞 / 酸化ストレス / 活性酸素 |
研究概要 |
ウシ脳微小血管内皮細胞(BBMEC)とウシ大動脈内皮細胞(BAEC)を用い、終末糖化蛋白(AGE)を負荷した際の内皮細胞の分子透過性を検討した研究については論文を完成し、Journal of Stroke & Cerebrovascular diseasesに投稿して採用された。本論文ではAGEの負荷によりBBMECでBAECに比較して分子透過性、VEGF発現、活性酸素産生がより亢進して認められること、またフリーラジカルスカベンジャーであるエダラボンの投与によりこれらの反応がすべて抑制されることを明らかにした。過去に我々が報告したAGEの負荷時の組織因子の発現を検討した研究と同様に、今回のVEGF発現と分子透過性も脳微小血管内皮細胞の方がより大きな変化を示した事より、脳微小血管内皮細胞は大血管の内皮細胞より刺激に対してsusceptibilityがあり、この現象に活性酸素産生が関与している可能性が考えられた。 この活性酸素の産生源については、NADPAオキシダーゼのサブユニットであるNOX 4が主体的な役割を果たしていると考えられている。現在、定常状態と刺激状態(低酸素、高血糖など)でのNOX 4の発現の変化をウエスタンブロッティング、RT-PCRを用いて検討している。低酸素、高血糖の刺激のある状態でNOX 4の発現が増強されることがRT-PCRの結果として得られており、今後さらに解析を進め、BBMECとBAECでのsusceptibilityをこのNOX 4の発現の違いで説明できるのか検討をしている。 高血圧に糖尿病を合併した動物モデルであるstreptozotocin-induced diabetic SHRについては、現在モデルの作成を行い、病理標本の検討を行うための準備をしている段階である。
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