【口腔内細菌による脳出血の悪化の評価」 脳脳出血モデル動物に口腔内細菌を投与した。そして24時間後に麻酔下で生理食塩液による灌流を行い、動物を解剖した。そして厚さ1mmの脳切片を作製し、脳出血面積をコンピュータ解析した。 さまざまな口腔細菌を投与し、脳梗塞時の脳出血に影響を与える菌を検討した。その結果、コラーゲン結合能を有する口腔細菌において脳出血を増悪することがわかった。 【脳組織中の口腔内細菌を検出】 脳梗塞後の口腔菌の投与により、口腔菌が脳組織から検出することができるのかをみるため、PCR法にて16SrDNA遺伝子を標的としたプライマーを用い口腔病菌の検出を試みた。 中大脳動脈に損傷を与えた患側のみにおいて、病原性の高い口腔細菌が検出された。健常側においては口腔細菌を検出することができなかった。 【Matrix Metalloproteinases 9の検出】 脳出血と大きく関わりがあるといわれているMatrix Metalloproteinases 9(MMP9)の検出をゼラチン・ザイモグラフィー法により行う。実験には上に記した脳出血モデル動物を用いる。 脳出血に影響をおよぼす口腔細菌の投与によりMMP9の産生は増加した。 我々は口腔細菌の中で脳出血を増悪させる菌の存在を見いだし、その特徴どして、高病原性を持つ口腔細菌はコラーゲン結合能を有することそしてMMPの発現に関与することを見いだした。このことから高病原性を持つ口腔細菌が循環動熊内で存在した状態で、脳障害を起こすと脳出血など重篤な疾病を惹起する可能性が示唆された。
|