研究概要 |
平成20年度はMulti-tensor tractogaphy(MT)の臨床応用を目指し、以下の2項目について研究を行った。 A.Multi-tensor tractogarphyのための3T-MR撮像条件、trackin最適条件の確立 正常被験者10名と機能領域に関連のない疾患を有する患者10名において、3T-MRI装置を用いて拡散テンソル画像を撮像し、MTによるfiber tractpgraphy(FT)画像を作成した。撮像の条件として、motion probing gradient(MPG):25軸、b-value:2000、averaging:2回を最適条件として確立した。PRIDE(Philips Medical Systems,Best,The Netherland)を用いて、運動/感覚線維の描出を行い、fractional anisotropy(FA値)やinner productなどのstopping criteriaを施設内で標準化した。皮質関心領域を分けて設定することにより、顔面/舌/上肢/体幹/下肢の運動および感覚神経線維の分離を行った。これら画像情報はDICOM画像として出力し、ナビゲーションシステムに搭載可能であった。視覚線維や言語関連線維についても同様のことを行い、標準化した。 B.MTとsingle-tensor approachによるFT画像の比較検討 Aで解析した同一被験者のDTIデータにおいて、single-tensor approachによる解析を行い、顔面/舌/上肢/体幹/下肢の皮質関心領域を分けて設定することにより、それぞれの部位に対応する神経線維束が描出可能かどうかを検討し、MT画像と比較検討した。 Single-tensor approachにおいては、これらの神経線維束の分離は一部が不能であり、明らかにMTと比較して、分離/描出能は劣っているものと考えられた。現在、FA値により、これら2つの方法の定量的比較を行っている。
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