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2009 年度 実績報告書

浸潤細胞を使って脳梗塞を救う

研究課題

研究課題/領域番号 20591687
研究機関愛媛大学

研究代表者

久門 良明  愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80127894)

研究分担者 渡邉 英昭  愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30322275)
キーワード脳梗塞 / 浸潤細胞 / 治療
研究概要

一過性90分中大脳動脈閉塞ラットモデルにおいて、中大脳動脈領域に大きな虚血性病変が形成されるが、そこには7日目をピークとしてマクロファージ様細胞が多数集族している。それらの多くはマクロファージマーカーのIba1、オリゴデンドロサイト前駆細胞マーカーのNG2を発現する。それゆえ、これらの細胞をBINCS(Brain Iba1+/NG2+Cells)呼ぶ。このBINCSの意義について以下の検討を行った。
1)BINCSの由来についての検討
蛍光ラット(green-fluorescent protein-transgenic rats)を用いた骨髄への移植実験により、BINCSは骨髄由来であることを明らかにした。
2)虚血脳に浸潤するBINCSの意義についての検討
虚血負荷2日目に5FUを注入することにより、虚血負荷7日目の脳ではBINCSの集族が著明に減少し、虚血性壊死巣の拡大と死亡ラット数が増加した。一方、虚血負荷2日目に5FUを注入したラットの虚血部に分離したBINCSを移植することで、虚血病巣の範囲が著明に縮小した。
3)BINCSの神経細胞保護的因子発現の検討
定量的なRT-PCRの結果、BINCSが、神経保護作用をもつbFGF、BMP2、BMP4、BMP7、GDNF、HGF、IGF-1、PDGF-A、VEGFのmRNAを発現していた。ことに、IGF-1のmRNAを高レベルで発現していた。
4)免疫染色による組織学的検討
免疫組織学的検討で、IGF-1を発現するBINCSは、ラットだけではなく、人の梗塞脳にも認められた。
これらの結果から、虚血脳に集族するBINCSは、骨髄由来であり、虚血脳に有利に働き、少なくとも一部は神経保護因子の分泌によることが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Iba1+/NG2+ macrophage-like cells expressing a variety of neuroprotective factors ameliorate ischemic damage of the brain2010

    • 著者名/発表者名
      Smirkin A, Matsumoto H, Takahashi H, Inoue A, Tagawa M, Ohue S, Watanabe H, Yano H, Kumon Y, Ohnishi T, Tanaka J
    • 雑誌名

      Journal of Cereb Blood Flow & Metabolism 30

      ページ: 603-615

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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