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2010 年度 実績報告書

浸潤細胞を使って脳梗塞を救う

研究課題

研究課題/領域番号 20591687
研究機関愛媛大学

研究代表者

久門 良明  愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80127894)

研究分担者 渡邉 英昭  愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30322275)
キーワード脳虚血 / マクロファージ / 神経保護因子
研究概要

ラット虚血脳中心部には、マクロファージ様細胞が浸潤、集族するが、その多くはanti-ionized calcium-binding adaptor molecule1(Iba1)(マクロファージ/マイクログリアマーカー)並びにNG2コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(オリゴデンドロサイト前駆細胞マーカーで幹細胞に出現)が陽性であることから、これらをBrain Iba1+/NG2+Cells (BINCs)と名付けた。この細胞は、虚血負荷後3日目より虚血中心部に出現し、7日目をピークとしており、細胞増殖能が高かった。イムノブロットによる検討から、虚血中心部にみられる分子量300kDaと虚血の対側脳にみられる分子量290kDaの2種類のNG2のあることが判明した。また、グリーン蛍光蛋白移植ラットを用いた骨髄移植実験で、BINCsが骨髄由来であることが明らかになった。
虚血負荷2日目に5FUを腹腔内投与(100mg/kg)すると、生食注入群に比して7日目に浸潤するBINCsが激減し、14日目の摘出脳では梗塞による壊死領域が拡大して、高頻度にラットが死亡した。そのモデルの虚血脳内にBINCsを虚血負荷5日目に注入すると、14日後に摘出した脳では、壊死領域が縮小し、死亡するラットもなかった。壊死脳容積を全脳で算出すると、虚血+5FU投与+BINCs注入群は、虚血+5FU腹腔内投与群に比して有意に脳損傷が少なく、コントロール群(虚血+生食腹腔内投与)と同等であった。また、定量的RT-PCRの結果、BINCsはbFGF,BMP2,BMP4,BMP7,GDNF,HGF,IGF-1,PDGF-A,VEGF関連のmRNAを発現し、ことに、IGF-1mRNAを高いレベルであった。これらの結果より、骨髄由来のBINCsは、神経保護的作用を有しており、これは神経保護因子の分泌を介する可能性が示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Iba+/NG2+ macrophage-like cells expressing a variety of neuroprotective factors ameliorate ischemic damage of the brain.2010

    • 著者名/発表者名
      Smirkin A
    • 雑誌名

      Journal of Cerebral Blood Flow and Metabolism

      巻: 30 ページ: 603-615

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Vasodilator-stimulated phosphoprotein (VASP) phosphorylation as say for platelet response to cilostazol.2010

    • 著者名/発表者名
      Yamanouchi J
    • 雑誌名

      Platelets

      巻: Dec 15

    • 査読あり
  • [学会発表] ラット虚血脳におけるケモカイン:フラクタルカインとMCP-12010

    • 著者名/発表者名
      鄭菜里
    • 学会等名
      第33回日本神経科学大会
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター(神戸市)
    • 年月日
      2010-09-02

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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