研究概要 |
頭部外傷受傷後6ヶ月以内の症例を限定し3.0tesla MRI,123I-Iomazenil SPECT、WAIS-III、WMS-R、BADS、p-300測定を実施した。全例、高次脳機能障害診断基準に該当する症例であった。神経心理学的検査では多様な異常所見を検出し得た。MRI上では明らかなびまん性軸索損傷病変を検出し得た。全症例中、日常生活レベルにおいて自立した群では、他の検査で異常所見が見られるにも関わらずp-300の異常は認められなかった。p-300は高次脳機能障害症例中の軽度障害を検出し得る可能性がある。FA値およびSPECTによる脳循環代謝検査については結果を解析中である。 また、併せてDiffusibn Tensor Imagingの神経組織評価の有用性を検討する目的で、血管圧迫による三叉神経痛症例に対しDTIを施行した。三叉神経痛症例では病側三叉神経において、FA値が上昇または低下する症例が認められ、このFA値の変化は血管圧迫による神経線維の解剖学的走行変化とさらに、圧迫による神経線維変性に関与すると考察した。FA値は三叉神経痛における神経の病理学的変化を反映する可能性が示唆された。これらの所見よりDTIによるFA値の測定は脳内および神経内の神経線維の解剖学的変化および病理学的変化を検出しうることが示唆された。
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