本研究では、頸部頸動脈狭窄症に対する内膜剥離術中に頸静脈球部から持続的に頭蓋内からの静脈血をサンプリングし、1)電子共鳴スピン共鳴装置を用いて直接的にフリーラジカルを測定し、その発生量と術後過灌流および高次脳機能障害との間の関連を明らかにする。さらに、2)ブリーラジカルスカベンジャーであるエダラボンを遮断前投与し、フリーラジカルの消去の程度と術後過灌流および高次脳機能障害の発生抑制とに関連があるかどうかを明らかにすることを目的とする。1)については、頸動脈遮断中の脳虚血の程度に比例してフリーラジカル反応が起こり、フリーラジカル反応の程度が一定量を超えると術後過灌流および高次脳機能障害が出現する事が証明された。来年度は2)につき検討する予定である。
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