グリオーマ細胞の浸潤を防止し、一カ所に遊走沈着させることができれば効率的な治療を行うことができると考え実験計画した。 腫瘍摘出術後、前処置としてグリオーマ細胞に間接的細胞接着因子増強作用があることが報告された分子標的治療薬を摘出面に塗布し腫瘍細胞を凝集させ、高濃度プロティオグリカン人工基質を重層し、グリオーマ細胞を吸着させ治療する実験モデルを開発する。 In vitroの実験でプロティオグリカンの入っている人工基質は約2倍の細胞吸着率があることを確認した。なおAG1478の至適濃度は10nmol/mlである。また至適プロテオグリカン濃度は50□g/mlであることを確認。 In vivoの実験にてラット脳内に残存しているC6-GFPの有無の確認と、高濃度プロティオグリカン人工基質に吸着されたC6-GFPの存在の確認が可能であった。以上の実験より、脳内に浸潤しているC6-GFPが高濃度プロティオグリカン人工基質に効率よく遊走沈着していることを確認した。
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