研究概要 |
3次元回転血管撮影(three-dimensional rotational angiography, 3D-RA)と3次光超音波血管撮影(three-dimensional ultrasonic angiography, 3D-UA)の手術ナビゲーションシステムへの導入にっいて検討した。(1)3D-RAの手術ナビゲーションシステムへの導入:頭部に設置したfiducial markersの位置情報を光学式位置センサーにより取得してから、3D-RAを撮影した。すなわち、3D-RAの回りにfiducial markersの位置情報が配置された3D-RAのデータセットを取得し、これをCranial Planning Software (BrainLab)を用いて手術ナビゲーションシステムに導入した。実際の手術において、ナビゲーション用ポインターを脳血管の任意の位置に置き、その位置表示の精度をナビゲーションモニター上で3次元的に計測した。脳表に近い中大脳動脈領域の血管では1~2cm程度のvessel shiftがみられたが、内頸動脈や脳底動脈など深部の動脈系ではvessel shiftは数mm程度であった。(2)3D-UAの手術ナビゲーションシステムへの導入:術中に生じるvessel shiftの問題を補正するために実時間計測の可能な3D-UAをナビゲーションシステムに導入し、その位置精度について検討した。超音波探触子に再帰性反射材でコーティングされたマーカーを3個装着することにより、通常のCTやMRIを用いた手術ナビゲーションの場合と同様に、超音波探触子の位置情報を光学式位置センサーによりリアルタイムに追跡することができた。その位置精度を血管モデルによるファントム実験によって検証した。すなわち、超音波画像から再構成したファントムの3次元形状と通常のナビゲーションプローブで計測したファントムの各頂点座標とを比較し、3次元再構成の精度評価を行った。その結果、位置の誤差は2mm程度であり、十分に臨床使用が可能な精度と考えられた。
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