研究概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの変性疾患において選択的運動ニューロン死が起こるが、家族性ALSモデルにおいて運動ニューロンに選択的に酸化ストレスが加わり、ミトコンドリア依存性アポトーシスにより細胞死が起こることが報告されている。われわれは運動ニューロンには酸化ストレス処理酵素(superoxide dismutase, SOD)がグリア細胞に比べて少なく、脊髄損傷後には運動ニューロンに選択的に酸化ストレスが発生して細胞死が起こることを初めて報告した。しかし、酸化ストレスが脊髄運動ニューロン死を招来するメカニズムはいまだに解明されておらず、本研究の課題とした。 脊髄損傷モデルの比較 Adult male Sprague-Dawleyラット(300-350g)を用いて軽度脊髄損傷実験を行ってきた。現在は頚髄慢性圧迫モデルを作成し、運動ニューロンに選択的な細胞死が起こることを確認中である。 また、分子生物学的検討を行い、脊髄損傷後にミトコンドリアからcytorhromecの放出が起こる可能性について検討中している。
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