研究概要 |
1 1p/19q欠失をもっ神経膠腫に対するneoadjuvant chemotherapyと2期的治療戦略(まず可及的摘出にて腫瘍の1p/19q欠失を確認後、化学療法で腫瘍縮小させた後の再切除あるいは放射線治療)の確立:当施設では、組織型に関わらず1p/19q欠失の有無で治療方針を選択しており、1p/19q欠失をもつ神経膠腫初発例は、放射線を温存した化学療法先行で治療が行われている。現在までに21例が同方針で治療されており、化学療法先行中のPDは1例もない。また、化学療法で腫瘍縮小させた後の根治切除は5例で行われ、これらの症例では再発は認めていない。このように同治療方針の安全性、有用性が確認されつつある。 2 1p/19q欠失を伴う星細胞系腫瘍の治療感受性、生命予後の確認: 3 1p/19q欠失をもつ神経膠腫における次の予後予測因子の検討:1p/19q欠失をもつ乏突起膠細胞系腫瘍は治療感受性が高いが、早期に再発するものも存在する。1p,19qの次の予後因子を検索する。 2、3に関し、当院で治療が行われた1p/19q欠失をもつ神経膠腫(oligo系28例、astro系22例)のCGH解析は終了し、現時点で、1p/19q欠失をもつ腫瘍の中ではoligoとastro系でPFSに差がない、などのデータが得られている。
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