研究課題
我々がさきに確立したEYFPとGHとの融合蛋白(EYFP-GH)の遺伝子を発現する、ラット由来の下垂体培養細胞のstable cell line(GH3 cellとAtT-20 cell)を本年度も実験に使用した。porosomeの分泌顆粒側の構成因子であるVAMPと介在分子であるfodrinに焦点をあて、VAMPとECFPの融合蛋白、およびfodrinとEGFPの融合蛋白を強制発現させた。ラットVAMPのcDNAについてはラット下垂体組織よりmRNAを抽出し、RT-PCRにより作製した。VAMPのcDNAに対して制限酵素サイトをPCRに付加し組換えを行い、ECFPと融合させた。このVAMPとECFPの融合蛋白の組換え遺伝子を、EYFP-GHの遺伝子を発現する、ラット由来の下垂体培養細胞のstable cell line(GH3 cellとAtT-20 cell)に導入した。トランスフェクションは、Trans ITTMなどを用いて行った。ECFP-VAMP、EGFP-fodrin、およびこれら2者を同時にトランスフェクションしたのちに、分泌刺激(GH3にはTRH, high K, AtT-20にはhigh K, CRH)を加え、GHの分泌過程、分泌顆粒が発芽し分泌をおこす際に、ECFP-VAMP、EGFP-fodrinが作用している像を、real-timeに観察した。観察は、共焦点レーザー顕微鏡のほかに、二光子顕微鏡を用いて、細胞膜直下の分泌を観察した。その結果、これらの分子がporosomeの形成機構とGHの分泌に必須であることを確認した。
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