悪性脳腫瘍及び転移性脳腫瘍の抗癌剤抵抗性に及ぼす腫瘍内微小環境(アストロサイトとの相互作用、低酸素)の関与を検討するために、ラット脳アストロサイトとラット及びヒトグリオーマ細胞並びにヒト乳がん細胞の共培養系を用い、種々の抗癌剤の細胞増殖抑制作用を単独培養の場合と比較した。その結果、常酸素下及び低酸素下での共培養系において、グリオーマ細胞や乳がん細胞に対する抗癌剤temozolomide (TMZ)の増殖抑制効果が、細胞接着や炎症性サイトカイン非依存性に減弱することが判った。また、アストロサイト自身によるTMZの不活化がその主原因になっていることが明らかになった。
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