研究課題/領域番号 |
20591737
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
阿久根 徹 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60282662)
|
研究分担者 |
吉村 典子 東京大学, 医学部・附属病院, 特任准教授 (60240355)
馬淵 昭彦 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80312312)
村木 重之 東京大学, 医学部・附属病院, 特任助教 (40401070)
岡 敬之 東京大学, 医学部・附属病院, 特任助教 (60401064)
|
キーワード | コンピュータ支援診断 / 画像解析 / 腰椎 / 整形外科学 |
研究概要 |
平成20年度は、まず最初に、腰椎X線自動測定システムの開発に使用するデータベースの構築(X線画像、MRI画像、臨床情報データベース)を行った。一般住民1,300名、病院受診者300名において撮影済の腰椎単純X線画像から、デジタル化画像データをX線画像データベースに蓄積した。この対象者では多項目におよぶ臨床情報の調査と整形外科医師による診察を実施済であり、その情報を臨床情報データベースに蓄積した。また、腰椎MRI画像データベースも作成した。また、医師が腰椎X線像の読影と臨床情報の評価を合わせて行い、その両者において異常を認めなかったものを正常例とし、データベース内で識別できるようにタグ情報の付加を行った。次に、腰椎X線自動測定システムの開発に着手した。オリジナルの腰椎X線画像データには、腸管ガスや筋肉などのノイズが含まれ、このままでは腰椎骨性輪郭を自動描出することはできない。そこで、フィルタリングシステムを開発して、ノイズを除去する作業が必要である。デジタルX線画像で、10 bitグレースケール情報を完全な白が最も高く、完全な黒が最も低い位置を示すよう三次元で等値面表示をさせるプログラムを作成し、このプログラムを腰椎X線像に適用した結果、脊椎の骨性要素以外の部分は一定の凹凸をもったパターンとなっていることが明らかとなった。オリジナルのX線画像データをコンピュータに読み込ませて、これらのノイズパターンを学習させ、位相の検出を行った。次に、この位相データをもとに逆位相によるフィルタを作成、処理することによりノイズを除去できるようなアルゴリズムを作成した。このパターンを複数のフィルムで解析することにより、最適な逆位相を算出してノイズを除去できるフィルタを作成し、このフィルタ処理により腰椎骨性要素のみを表示することを可能とするプログラムを開発した。
|