研究課題
3年計画の最終年度にあたる今年度は、腰椎X線自動測定システムを完成させ、そのシステムを用いてデータベース解析を行う計画となっている。一昨年度より、腰椎側面X線デジタル画像情報を読み込んで、腰椎各指標を計測するソフトウェアの開発を進めてきた。腰椎側面像計測には、椎体上縁と下縁における前方、後方の各点を精度よく認識して表示させることが非常に重要で、それを高精度に実現するためアルゴリズム改良を行ってきたが、本ソフトウェアベータ版においては、全ての計測点を全自動により十分精度高く描出して計測する技術の完成までには至らなかった。そこで完全全自動ではないが、単純X線画像上に腰椎計測点を描出させた後、マニュアル操作により計測点の補正を行う機能をソフトウェアに搭載し、計測点の位置確認後に腰椎各指標を自動計測させる腰椎X線測定システムとした。これは、「脊椎疾患診断支援装置、および脊椎疾患診断支援プログラム(特願2010-96330)」として、国内特許申請中である。本測定システムを用いて、医師による診察、問診情報および画像検査情報の全ての調査項目を満たす一般住民(病院受診者含む)821名(男性318名、女性503名、平均76.2歳)を対象としてデータベース解析を行った。測定項目は、腰椎における椎体前縁高・中央高・後縁高、椎体圧潰率、椎体面積、圧迫骨折判定、椎間板高、椎間板面積、椎間角、前弯角、すべり率、骨棘長などで、多数項目に及ぶ腰椎各指標計測が短時間に効率よく実行可能となった。腰椎圧迫骨折判定をレントゲン目視による医師の判定と、本ソフトウェア計測による判定とで比較検証した結果、骨折判定において、本ソフトウェアは精度の高い結果をもたらした。本研究により、多くの腰椎指標が簡便に計測可能となり、脊椎疾患診断支援に有用であることが明らかとなった。
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