1.実験の対象 オスルイスラットをレシピエントとしMHCの異なるラットをドナーとして用いた。 2.間葉系幹細胞の準備(研究分担者;池口) Aziziらの方法に従って、間葉系幹細胞を分離培養した。 3.移植手術(研究分担者;池口 連携研究者;柿木) Doiらの方法に従って、ラット下肢移植手術を行った。 4.免疫抑制療法及び実験群(研究分担者;池口) 術直後から毎日タクロリムス(FK506)0.2mg/kgを筋肉内注射し、術後6日目まで計7回投与した。分離培養した骨髄間葉系幹細胞10x106個を術後7日目にペニス背側の静脈から静脈内投与した。コントロール群として、タクロリムスのみの投与群と全く免疫抑制剤を投与しないno treatment群とisograft群を作成した。 5.拒絶反応評価(研究分担者;池口) 移植した下肢を24時間ごとに観察し、生存期間を記録し、組織切片を作成し評価した。また、血清を採取し、ELISA法にてサイトカイン量を定量した。 6.リンパ球混合試験(研究分担者;池口) 骨髄間葉系幹細胞を同時培養し、T細胞への影響を評価した。 7.結果 生存期間は骨髄間葉系幹細胞を投与することにより、タクロリムスのみの投与群に比べて有意な生存期間の延長が認められた。組織学的評価では単核球浸潤の有意な減少が認められた。血清中インターフェロンγの有意な減少が認められた。また、リンパ球混合試験では骨髄間葉系幹細胞によるT細胞反応の抑制が認められた。 8.研究分担者間での連絡とデータの検討(研究分担者;池口 連携研究者;柿木) 毎週火曜日夕方に2時間のMeetingを行った。その中でデータの検討、実験についての議論を行った。 9.研究発表 第36回日本マイクロサージャリー学会(徳島)にて発表した。 10.論文作成 現在、執筆中である。
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