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2008 年度 実績報告書

テロメラーゼ阻害剤封入磁性体リポソームと外磁場による骨・軟部肉腫ターゲット治療

研究課題

研究課題/領域番号 20591757
研究機関広島大学

研究代表者

松尾 俊宏  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 寄附講座助教 (90397977)

研究分担者 越智 光夫  広島大学, 病院, 教授 (70177244)
檜山 英三  広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 教授 (00218744)
下瀬 省二  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (30304439)
久保 忠彦  広島大学, 病院, 講師 (70397959)
キーワード遺伝子 / 癌
研究概要

本研究は,テロメラーゼ阻害剤による新しい骨・軟部肉腫の治療法の開発を目的としている,In vitroで骨肉腫細胞に対するテロメラーゼ阻害剤(TMPyP4:コスモバイオ)の抗腫瘍効果を検討した.
1.腫瘍細胞に対するテロメラーゼ抑制による抗腫瘍効果
ヒト由来骨肉腫細胞(テロメラーゼ活牲を有するHOS, MG63および活性のないU20S, SaOS2)にテロメラーゼ阻害治療(100umol)を行い,2日および4日後に細胞増殖能試験(MTT assay)を行った.投与2日目では有意差を認めなかったが,HOS(p=0.0001),U20S(p=0.0003),SaOS2(p=0.0003)ともに投与4日目で有意な細胞増殖抑制効果を認めた.MG63では抑制傾向にあったが有意差を認めなかった(p=0.1085).
2.テロメア長の測定
骨肉腫細胞のDNAを抽出,処理後サザンハイブリダイゼーションを行った.テロメラーゼ阻害剤(10,50,100umol)投与後4日目ではいずれの細胞も濃度依存性に5.0-8.6kbpまでテロメア長が短縮した.
3.テロメラーゼ活性の測定
テロメラーゼ阻害剤(各1,10,50,100umol)を投与しTelomeric Repeat Amplificdtion Protocol(TRAP法)に準じて測定した.テロメラーゼ活性を有するHOSでは3-6%,MG63では0-3.2%の活性値の減少を認めたが,各投与量で有意差はなかった.テロメラーゼ活性を有さないU20SおよびSaOS2では活性に変化を認めなかった.
以上の実験結果より,骨肉腫細胞株においてテロメラーゼ阻害剤は,テロメラーゼ活性に対しては有意な影響を与えていないことがわかった.しかし阻害剤投与によりテロメア長は短縮し,HOS,U2OS,SaOS2において有意な細胞増殖抑制を示した.テロメラーゼ阻害剤(TMPyP4)は,癌腫と比較しテロメラーゼ活性が低値である骨肉腫細胞において,活性低下作用よりもテロメア長短縮により細胞増殖抑制作用を呈している可能性が高い.本実験結果が,テロメラーゼ活性に依存しないテロメア維持機構を持つ肉腫細胞に対する,テロメラーゼ阻害剤の細胞増殖抑制作用の解明に重要な鍵となる可能性がある.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Telomere maintenance mechanisms in mesenchymal tumors.2008

    • 著者名/発表者名
      松尾俊宏
    • 学会等名
      8^<th> international conference of anticancer research
    • 発表場所
      ギリシア コス島
    • 年月日
      2008-10-21

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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