研究課題/領域番号 |
20591762
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
加谷 光規 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10398315)
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研究分担者 |
和田 卓郎 札幌医科大学, 道民医療推進学講座, 特任教授 (00244369)
山下 敏彦 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70244366)
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キーワード | 軟部肉腫 / 遠隔転移 / 局所浸潤 / 血管新生 |
研究概要 |
軟部肉腫の局所浸潤能あるいは肺転移形成能と血管新生の関連を検討することが本研究の目的である。高齢者四肢に好発する軟部肉腫である粘液型繊維肉腫は、局所浸潤能が高く、腫瘍周囲の筋膜に異型細胞が広がっている事が知られている。そのため、適切な切除縁の獲得が困難なことが多く、高い局所再発率が示すことが特徴である。当科で治療した粘液型繊維肉腫症例においても全症例で腫瘍周囲の筋膜への異型細胞の広がりを確認している。腫瘍切除後の局所再発の危険因子を検討したところ、不十分な切除遠に加えて、骨あるいは関節に腫瘍が接している事が、局所再発の危険因子である事をわれわれは報告した。 さらに、粘液型繊維肉腫不適切切除例に対しては追加切除が技術的に困難であったり、機能障害が大きくなることもあって、放射線照射が選択されることがある。しかしながら、粘液型繊維肉腫不適切切除例に対する放射線照射の局所再発予防効果に関して確立されたエビデンスはないため、術後放射線照射の局所再発抑制効果を検討した。不適切切除縁をmicroscopical positive marginとgrossly positive marginの2群に分けその効果を評価した。microscopical positive groupでは術後放射線照射を行なうことで局所再発を阻止できていたが、grossly positive groupでは術後放射線照射を行なっても全例で局所再発を生じていた。切除縁がmicroscopical positive marginとなった症例に対しては、放射線照射を追加することで、局所再発を予防しうるが、grossly positive marginと評価された症例に対しては放射線照射ではなく追加切除などの治療法を選択するべきであると結論する。
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