研究課題/領域番号 |
20591768
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
神原 清人 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40298758)
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研究分担者 |
森 禎章 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (70268192)
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キーワード | 軟骨肉腫 / OUMS-27 / Caチャネル / GABA B受容体 / GAD / HCS2/8 / real time PCR / パッチクランプ |
研究概要 |
〈新たな鑑別診断法の確立〉手術時に切除した骨軟骨腫5例、内軟骨腫5例、軟骨肉腫11例、正常軟骨2例(対照)とヒト軟骨肉腫の細胞株HCS2/8(高分化型)及びOUMS-27(低分化型)に対してRT-PCRにてGAD65及びGAD67mRNAの発現を調べた。次にGABA含めた蛍光免疫染色を行い、各腫瘍間で発現様式を比較検討した。さらにGADの発現量をReal time PCRにより定量比較した。【結果及び考察】ヒト軟骨系腫瘍においてmRNA及び蛋白においてGAD67は全く発現がなかったに対し、GAD65は軟骨肉腫の切除標本及び細胞株の全例に発現していた。-方、GABAはヒト軟骨系腫瘍の全例に発現し、特に軟骨肉腫において強い発現がみられた。さらにReal time PCRでは悪性度が高いOUMSのほうがHCSに比較しGAD65mRNAの発現量が高かった。以上のことからGAD65はヒト軟骨系腫瘍の分化に関連した良悪性の鑑別診断の新たなマーカーとして利用できる。 〈新たな治療法の確立〉細胞膜チャネルを介した抗腫瘍効果を解明するため軟骨肉腫の培養細胞(OUMS-27)のパッチクランプを行い、GABA_B受容体のアンタゴニスト及びアゴニスト添加による電気の流れの変化を調べた。さらにFura-2を用いてその際の細胞内Ca濃度の変化を測定した。【結果及び考察】GABA_B受容体のアゴニスト(バクロフェン)添加によりCaチャネルが抑制された。一方、細胞内Ca濃度はGABA_B受容体のアンタゴニスト(CGP)添加により増加した。以上の結果よりGABA_B受容体とCaチャネルが相互に作用していることが示唆された。
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