1)ウイルスゲノムDNAのBACmidへのクローニング ウイルス臨床ロット製造のため、d12. CALPfΔRRと固形腫瘍の腫瘍内微小環境を標的化し得る新規腫瘍溶解性HSV-1ウイルス(国際特許出願中)d12ODDΔRRのBACmid挿入ウイルスの単一クローンを分離し、大腸菌にトランスフォームして均一なウイルスゲノムDNAをMaxi-prepした。パルスフィールド電気泳動法でBACmidウイルスゲノムDNAのサイズを確認したのち、BACmid配列を除去したウイルスを限界希釈法により精製した。これにより、これまで国内で調整されたどの腫瘍溶解性ウイルスの試験薬よりも均一なウイルス試験薬をGMPレベルで製造するための準備が整った。 2)HSV-1ゲノムDNAのVero細胞への導入とウイルスシードストックの作製 上記BACmid配列を除去したウイルスを、米国での生物学的評価試験を終了したICP4発現Veroデザイナーセルに、リポフェクション法を用いて導入した。デザイナーセルをVP-SFM無血清培地で培養し、培養上清からウイルスを回収し、ウイルスシードストックとした。それぞれのウイルスにつき、大腸菌の系で精製したゲノムDNAの繰り返し配列を除く領域をショットガンシーケンスし、HSV-1のチミジンキナーゼ遺伝子の塩基配列を決定し、BACmidの挿入や大腸菌内での遺伝子増幅によってもTK遺伝子の塩基配列が一定であることを確認した。
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