研究課題/領域番号 |
20591775
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
筑田 博隆 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30345219)
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研究分担者 |
川口 浩 東京大学, 医学部・附属病院, 准教授 (40282660)
武田 秀樹 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (90456111)
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キーワード | GSK3β / Runx2 / 骨代謝 / 関節炎 |
研究概要 |
1)生理的条件下でのGSK3β+/-マウスの骨軟骨組織の解析 (1)GSK3β/-マウスおよびそれぞれの同胞野生型マウス(WT)における長管骨および椎体について放射線学的解析を行い、その形状、大きさにおいては明らかな差を認めなかったものの、海綿骨量の有意な上昇を認めた。 (2)組織学的解析では、骨芽細胞、軟骨細胞での発現を確認し、特に軟骨細胞では前肥大層から肥大層にかけての発現が確認された。また、骨形態計測ではGSK3β+/-マウスにおいて静的・動的骨形成マーカーの上昇、および骨形成マーカー程ではないが骨吸収マーカーの上昇を認め高代謝回転型の骨量増加が明らかとなった。成長板軟骨における表現型についてはGSK3β+/-とWTマウス間で明らかな差を認めなかった。 2)病的条件下でのGSK3β+/-マウスの骨軟骨組織の解析 尾部懸垂モデルによるメカニカルストレスの変化による骨量変化については、生理的条件下で骨量の増加があったものの、メカニカルストレスの変化に対する明らかなWTマウスとの差は認めなかった。 卵巣摘出による性ホルモンを介した骨粗鬆症化についてのGSK3βの関与についても検討したが、ここでも明らかな差は認めなかった。今後病的モデルとして骨折モデル、変形性関節症モデルを作成し検討を行う予定である。 3)骨芽細胞、軟骨細胞におけるGSK3βの上流および下流のシグナル分子の同定 初年度は主に上流シグナルについての解析を行った。GSK3βの上流シグナルとして知られる、Insulin, IGFシグナルおよび古典的WntシグナルについてGSK3βの転写活性の変化を確認した。現在のところ明らかな転写活性の変化は確認できず、今後も引き続き検討を行っていく予定である。
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