研究課題/領域番号 |
20591782
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
高田 信二郎 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 准教授 (20284292)
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研究分担者 |
安井 夏生 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00157984)
高橋 光彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10372715)
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キーワード | 骨膜切除 / 内軟骨性骨化 / 骨形態計測 / μCT / 骨代謝 / 長径成長 |
研究概要 |
平成20年度の研究では、8週齢雄ラットの右大腿骨骨幹部骨膜を全周性に切除し、以後6週間の自由飼育を行ない、その長径成長を促進する動物実験モデルを確立した。この動物実験モデルを用いて、以下の解析を行った。 1.骨膜切除側大腿骨の長径は41.1±0.7mm、対照側は39.9±0.7mmと、骨膜切除側大腿骨の長径は対照側に比べて、約2.5%の骨延長がみられた(p<0.0001)。 2.骨形態計測では、大腿骨の長径成長速度は、骨膜切除側は92.3±5.3μm/day、対照側は54.4±4.6μm/dayであった(p<0.0001)。Mineral apposition rateは、骨膜切除側3.9±0.4μm/day、対照側3.1±0.3μm/dayと、骨膜切除側が対照側に比べて有意に大きかった(p=0.0009)。Osteoclast number/bone perimeter(N.Oc/B.Pm)は、骨膜切除側は3.7±0.7N/mm、対照側2.5±1.0N/mmと、骨膜切除側が対照に比べて多かった(p=0.0303)。 3.μCTを用いた二次海綿骨の構造解析では、骨量bone volumeは、骨膜切除側5.6±0.9m^3、対照側4.7±0.8m^3と、骨膜切除側が有意に多かった(p=0.0416)。骨梁数は、骨膜切除側3.8±0.41/mm、対照側3.4±0.41/mmと、骨膜切除側が有意に多かった(p=0.0116)。 4.組織学的解析では、骨膜切除側大腿骨の遠位成長軟骨板は、対照側に比べて、肥大軟骨細胞数が増加し、その結果、肥大軟骨細胞層が増幅していることが明らかになった。 以上から、ラット大腿骨骨幹部骨膜を全周性に切除すると、成長軟骨板における内軟骨性骨化が促進され、その結果、長径が延長することを明らかにした。
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