研究課題
平成20年度は初回人工股関節術後1-3年経過した患者30例に対してリアルタイム四次元動作解析システムを用い、立位、臥位、歩行のほか、大きな股関節運動を伴うインピンジメントのリスクを含むしゃがみこみ(Squatting)、椅子での起座動作、正座動作、足組動作、立位での股関節伸展外旋動作などの動作について、患者CTから作成した骨盤、大腿骨モデル上に座標系を設定し、この座標系の運動軌跡として、骨格運動データを記録し、人工股関節手術後の日常生活動作中の必要可動域を解析した結果をH21年2月日本人工関節学会にて報告した。これらの動作で必要な股関節可能域は我々が以前術中にナビゲーションを用いて計測した人工股関節患者の可動域を超えるものではないことを示し、骨盤後傾群では股関節可動域が立位、歩行では伸展方向にシフトするものの非後傾群に比して大きな可動域とはなっていなかった。これらは人工股関節の最適設置の基礎として重要な知見であるが結論を得るためには癒例を増やして検討する必要性があり、H21年度以降も継続することとした。また、大腿骨の過大、過小前捻に対し、モジュラーネックを使用し、大腿骨前捻を調整することの有用性について詳細が検討されていなかったが、我々は本システムの衝突判定プログラムを用い、上記の可動域をインピンジメントなしに得るための最適カップ設置を検討しストレートネックでは前捻40度までしか対応できないが、モジュラーネックでは前捻60度まで対応可能であるという有用性を世界で初めてシミュレーション方法で示し55th Annua 1 Meeting of the Orthopaedic Research Societyで発表し学会での注目6演題の一つに選ばれた。
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日本コンピュータ外科学会誌 10巻3号
ページ: 375-376
日本整形外科学会雑誌 82巻8号
ページ: 1113