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2009 年度 実績報告書

吸入麻酔薬が心リズムとイオンチャネルに及ぼす影響に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20591796
研究機関旭川医科大学

研究代表者

鈴木 昭広  旭川医科大学, 医学部, 講師 (30292121)

キーワードセボフルラン / 一過性外向きK電流
研究概要

吸入麻酔薬セボフルランの心筋リズムに与える影響の調査として、本年度はラット心筋細胞を用いた一過性外向きK電流を調査した。当初、生理的範囲内での実験環境での電流測定を予定していたが、ITOのランダウン現象が顕著となり、電流の減衰がランダウンによるのか、それとも薬物負荷によるものかの判断が難しいため、やむをえず室温環境下での電流測定を行った。その結果、37度環境で作成した活動電位プロトコールも適応できないため、通常の矩形波ボルテージプロトコルでの測定を代替に用いた。
電流はpeak電流(ITOpeak)とsustained電流(ITOsus)に二分しておのおのの吸入麻酔薬への感受性を調べた。その結果、0.5mMのセボフルランは、ITOpeakを0mV時に16.7±5.8%、60mV時に17.0±4.7%抑制した。一方、ITOsusに対しては0mV時に14.6±7.8%、60mV時に4.2±2.9%の抑制効果を示した。ITOは心筋活動電位において、第1相の成り立ちに関与している。ITOの抑制はすなわち第1相のノッチ部分を減弱させ、活動電位を延長するように作用することを意味する。さらに、第1相が抑制され、活動電位が延長する方向に作用した結果、プラトー相(第2相)のはじまりがはやくなり、持続時間も延長する結果、次のIK電流の活動時間が延長することとなり、全体として心筋活動電位が延長されやすくなる。今回のセボフルランによるITOへの抑制結果は大きなものとはいえないが、活動電位全体に与える影響はおおきくなる可能性が示された。
セボフルランはITOの構成2成分をいずれも抑制し、活動電位延長の原因の一環をになっていることが確認され、臨床上QTを延長しうることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 吸入麻酔薬が遅延整流Kチャネルに及ぼす影響の調査~タンパク発現マウスHEK細胞を用いて~2010

    • 著者名/発表者名
      鈴木昭広
    • 学会等名
      日本臨床麻酔学会
    • 発表場所
      徳島市
    • 年月日
      2010-11-04

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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