NPYの細胞レベルでの血管内皮細胞透過性亢進作用を、内皮細胞の単層培養を展開し、培養細胞内のカルシウムの測定、actin stress fiber formationの検討、電気的方法による内皮細胞形態のリアルタイム検出、Tansendothelial FITC-labeled albumin permeabilityの測定からNPYの血管透過性亢進の細胞レベルでのメカニズムを解明していき、各種細胞内情報伝達系の阻害薬を投与することによって、NPYの作用がどのような刺激伝達系、細胞内骨格系と関連しているかを明らかにして、その細胞内メカニズムを解明する目的で実験を行った。1.培養細胞内カルシウムの測定:NPYを加えたときの細胞内カルシウムの変動を、Ca^<2+>-sensitive fluorescent dye fura2にて顕微鏡下に検出する実験系を、我々が研究対象としているヒト肺血管内皮細胞にて測定できるよう実験系を確立している。2.培養細胞内のactin stress fiber formationの検討:NPYを加えた時に培養細胞内のactin stress fiber formationを顕微鏡下に測定し、NPYが細胞骨格をつかさどる蛋白にどのように作用するかの検討を、我々が研究対象としているヒト肺血管内皮細胞にて測定できるよう実験系を確立している。現在両実験系とも安定した結果が得られておらず、その確立に全力をあげている。この方法論が確立すれば、NPYによる肺血管透過性亢進の内皮細胞内メカニズム解明につながるものと思われる。 合わせてARDS患者からの水腫液を採取・保存した。
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