研究課題/領域番号 |
20591806
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
福田 志朗 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70322245)
|
研究分担者 |
松本 美志也 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60243664)
石田 和慶 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (80314813)
|
キーワード | 脳虚血 / AMP-activated rotein kinase / AICAR / compound C / 細胞内エネルギー調節 / 前脳虚血 / 海馬 / 遅発性神経細胞傷害 |
研究概要 |
脳虚血の病態において神経細胞内での虚血時のエネルギー代謝の病態を知ることが虚血性脳障害への治療につながる可能性がある。細胞内エネルギー代謝調節に重要とされるAMP-cativated kinase (AMPK)活性の前脳虚血に対する影響を検証した。Mongolian gerbil雄性(雄性;体重60±7g)による前脳虚血モデルを作成した。再灌流後7日目に深麻酔下に4%ホルムアルデヒド灌流液で脳を固定・採取しヘマトキシリン・エオジン法を用いて海馬CA1での神経細胞数から遅発性神経細胞傷害の重症度を評価した。投与薬物はAICAR 500mg/kgないしcompound C 20mg/kg (20%DMSO溶解生食液で希釈)を虚血開始直前に腹腔内投与した。実験にあたっての麻酔方法は1.5%イソフルラン+30%亜酸化窒素+70%酸素吸入によるマスク麻酔・自発呼吸下で行った。両側総頸動脈を露出した後に血管クリップで一時的に遮断した。虚血中に側頭筋温を37.0±0.5℃に保った。本実験群を1)対照群、2)虚血3分間群、3)虚血5分間群、4)虚血3分間+AICAR投与群、5)虚血5分間+compound C投与群の5群に分けた(各群n=4~5)。神経細胞数は、視交叉より尾側2mmの冠状切片(厚さ5μm)での海馬CA1領域において光学顕微鏡400倍・1視野のもとでカウントし、両側神経細胞数の平均値をその値とした。その結果、1)と比較し2)、3)でそれぞれ82%、36%と神経細胞数が減少した。2)と比較し4)は細胞数が69%減少するとともに、5)は3)と比較し34%減少した。Compound CはAMPK活性を抑制し、AICARは活性化する。AMPK活性の過剰な抑制も促進と同様に神経細胞傷害が増悪することが示唆された。
|