研究概要 |
本研究は,解糖系の中間代謝物であるfructose-1, 6-diphosphate. (FDP)の中枢神経系に対する保護作用を^<31>P-NMRにより明らかにすることを目的とする。平成21年度は以下の事項を実施した。 【虚血-再灌流負荷および持続性脱分極性負荷に関する基礎的検討】(北野・徳丸) 脳虚血に対するFDPの脳保護作用を評価するために、虚血-再灌流負荷および持続性脱分極性負荷を行う。その際の脳スライスのエネルギー状態を31P-NMRにより詳細に検討した。実験に適した温度、流速、負荷時間に関する予備実験を行い、FDPの脳保護作用に関する実験を行うにあたり最適の条件を決定した。 【虚血-再灌流負荷モデルを用いたFDPによる神経保護作用の検討】(北野・徳丸) 虚血-再灌流負荷の前後にFDPを含む灌流液(1~20mM)による灌流を行った群と対照群とで、虚血-再灌流負荷からの回復の過程のエネルギー代謝の状態を31P-NMRによって比較した。引き続きデータを蓄積中である。 【ESRによるedaravoneのラジカルスカベンジ能の測定】(北野・徳丸・横井) ラジカルスカベンジャーであるedaravoneには脳保護作用があることが知られている。Edaravoneのラジカルスカベンジ能をESRにより測定し、FDPのラジカルスカベンジ能と比較するための基礎的データを取得した。 【行動解析】(徳丸)ラットの行動解析を行った。 【成果の発表および関連領域の調査】(北野,徳丸,横井) 国際脳血流代謝学会(2009年6月,シカゴ)、国際生理学会(2009年7月,京都)、日本神経科学大会(2009年9月,名古屋)などに参加した。本課題と同様に^<31>P-NMRを用いた本研究グループの研究成果を論文発表した。
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