昨年度に行ったオワンクラゲの緑色蛍光色素であるGreen fluorescent protein (GFP)を5'端に癒合したα2Aアドレナリン受容体サブタイプを発現した遺伝子改変マウスのホモ体の機能解析結果より、受容体発現の密度には遺伝子改変マウスと野生体の間に有意差はなかったことから、本年度はレーザー照射の基本設定を行った。 マウス用アダプターを取り付けた脳定位固定装置を使ってペントバルビタール麻酔下のマウスの青斑核にガイドカニューラを正確に立てる術式を習熟した。すなわち、Bregmaより後方に、5.34mm、側方に0.75mm、脳表より2.2mmの深さにガイドカニューラの先端を設置し、カニューラ上方をレジンにて固定した。デクスメデトミジン10μg in 0.2μl生理食塩水をカニューラを通じて青斑核にmicroinjectionし、麻酔がかかることによってその位置確認を行った。 ガイドカニューラを通じてレーザー光を直接に青斑核に当てるために光ファイバー伝送システムに改良を加え、ファイバー1本にてレーザー光を発することができるようにした。すなわちFCコネクタに接続したファイバーケーブルの先端をヤスリにて研磨し、マウス頭部のガイドカニューラに挿入できるようにした。しかしまだ手技的には不安定でさらに習熟することが必要である。またコネクタ部のマウントが不安定でレーザー光を正確にレーザー発生装置からファイバーに伝送できず、この部分の改良も問題となっている。
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