研究課題/領域番号 |
20591814
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
佐々岡 紀之 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70364073)
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研究分担者 |
川口 昌彦 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (60275328)
井上 聡己 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50295789)
古家 仁 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70183598)
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キーワード | 新生児 / 中枢神経 / イソフルラン |
研究概要 |
虚血曝露後のNeurogenesis(神経再生)の検討 新生児中枢神経における麻酔薬の毒性を検討するあたり、中枢神経における傷害からの再生する能力についても検討すべきと考え、以前からの研究で利用していた片側脳低酸素虚血傷害モデル(Rice-Vannuci model)において神経再生について検討した。生後7日の新生児ラットにおいて低酸素・虚血性傷害に暴露する(非虚血群も設定)。その後、新しく生みされた細胞を検索すべく6日間BrdU(bromodeoxyuridine)1日2回(50mg/kg/回)を腹腔内投与した。7日目に海馬を含む切片を取り出し、パラフィン固定後切片を作成し海馬(CA1,歯状回)におけるBrdUの取り込まれた細胞をDAB染色し、陽性細胞(新生細胞)の数を虚血暴露された群では虚血側、非虚血側、また非虚血群では両側確認した。また、新生細胞のphenotypeを確認するためにBrdUとDCX(未熟な神経細胞に特異的な抗体)に対する蛍光免疫染色も同様の切片にて施行した。 結果としてまず、BrdU陽性細胞は虚血群の虚血側海馬において歯状回では増加を認めたもののCAIではその増加は明らかではなかった。また歯状回に絞ったBrdU陽性細胞の数は虚血群虚血側:295±56.3、虚血群非虚血側:152±24.5、非虚血群左側:159±16.3、非虚血群右側:158±10.4であり虚血群の虚血側歯状回でのみ有意に増加が認められた。また、蛍光免疫染色の結果より、BrdU陽性細胞がDCXにも陽性を示し新生細胞が神経細胞であることも示された。 つまり虚血傷害にさらされると傷害の強度にもよるが歯状回にて神経細胞が新生されるとの結果となった。
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