PKC-γノックアウトマウス PKC-γノックアウトマウスを用いプロポフォールによる正向反射消失までの時間を測定した。ワイルドマウスと比較し、PKCγと静脈麻酔薬の作用発現との関係について以下の実験系を設定した。 マウス断頭モデルによる実験 静脈麻酔薬がPKCγに与える影響を調べるためにプロポフォールを腹腔内投与し、正向反射消失後直ちに断頭する。PKCのトランスロケーションは非常に速やかに起こるため、瞬時に頭部凍結が可能なマウス断頭モデルが適している。断頭後は液体窒素で凍結し、-80℃で保存した。 実験群はダイズ油コントロール群、プロポフォール群を設定した。 大脳皮質を冷凍作業ボックス内で摘出し、以後すべて氷温化にホモジネート、遠心分離を行い、シナプス膜成分(P2)、小胞体などの細胞内小器官とシナプス以外の細胞膜成分(P3)、細胞質成分(S3)に分画後、SDS-PAGEを行い、抗PKCα抗体、抗PKCβ抗体、抗PKCγ抗体、抗PKCδ抗体、複数の抗リン酸化PKCγ抗体、および抗リン酸化PKCδ抗体を用いてウェスタンブロットを行い各分画におけるPKCγを定量した。 第56回日本麻酔科学会学術集会で報告したイソフルレン、セボフルレンに対する正向反射の消失時における麻酔感受性についての結果とともに雑誌Pharmacologyにて発表した。 連携研究者 東京医科大学・医学部・講師 室園美智博 マウス実験の補助
|