研究概要 |
(1) Int6-siRNA投与による培養神経細胞内各栄養因子(Brain Derived Neurotrophic Factor : BDNF, VEGF : vascular endothelial growth factor, PDGF : platelate-derived growth factor)の発現解析 Int6-siRNA導入群とNC導入群に分けて実験を行った。Int6の発現はGFPで確認し(図1)、NC群での発現は認められなかった。Int6-siRNA導入群とNC導入群のBDNF, VEGF, PDNFの変動は、当初RT-PCRにてmRNA発現の確認を試みたが、発現がばらつき正確に捉えることができなかった。そのため、western blot(図2)に変更し、超高感度生体内情報測定システム(MUSTag : Mulotiple Simultaneous Tag)法(図3)にて経時的(Pre、Int6-siRNA導入1、24、48時間後)に測定、解析を行った。また、Int6-siRNA導入12時間後のサンプルからの測定では、両法に於いて、原因は明確ではないが各栄養因子の値を正確に捕捉できなかった。また、NC群ではどの栄養因子の発現も認められなかった。VEGFは、Int6-siRNA導入1時間後に有意に増加した(p<0.05)。PDGFは全経過を通じて有意な増加を示さなかった。免疫染色によりBDNFを捕捉することが困難であったため、MUSTagにより再度BDNFを測定したところ、Int6-siRNA導入1,24、48時間後において有意な増加を認めた(p<0.05)。また、western blotの変化とほぼ一致した。 (2)脳内ミトコンドリアの呼吸能からみたInt6-siRNA投与による脳保護効果の解析 ラット凍結損傷虚血モデルに外頚動脈からInt6-siINAベクター(50,100,200μg)を投与して、1週間後の大脳ミトコンドリアの呼吸能:Respiratory Control Ratio(RCR)は50μgでコントロール(虚血群)と有意差なく100,200μg群で有意差を認めた(p<0.05)。カルシウム取りこみ能:Calcium Retention Capacity(CRC)は、CsA群、50μg,100,200μg群でコントロール群に比較して有意な差を認めた(p<0.05)。
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