研究課題/領域番号 |
20591828
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
内山 昭則 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (00324856)
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研究分担者 |
藤野 裕士 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50252672)
平尾 収 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (10362617)
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キーワード | 人工呼吸 / 鎮静薬 / 気管チューブ / 呼気抵抗 / 呼吸不全 / 腎不全 |
研究概要 |
平成20年度に得られた自発呼吸中の鎮静薬の影響の実験的検討の結果と人工呼吸回路と気管チューブの抵抗の自発呼吸に与える影響の検討の結果をそれぞれAnesthesia and Analgesia誌に発表した。さらに、人工呼吸患者において人工呼吸器から離脱前に横隔膜筋力の測定と自発呼吸試験を行い、人工呼吸管理、横隔膜筋力と人工呼吸からの離脱の成否の関連を調べる研究を行った。まず、自発呼吸試験における3つ人工呼吸条件設定(プレッシャーサポート換気、プロポーショナルアシスト換気、およびオートマチックチューブコンペンセーション)の比較検討を行い、50例からデータを得た。従来、用いられてきたプレッシャーサポート換気法を用いた自発呼吸試験と比較して、新たな方法であるプロポーショナルアシスト換気、およびオートマチックチューブコンペンセーションは評価法として少し厳しめではあるが妥当な自発呼吸試験方法であるという結果を得た。また、人工呼吸を必要とするような呼吸不全患者ではよく腎不全を合併し、腎不全の治療が人工呼吸器からの離脱の成否と非常に大きく関連する。腎不全の予後指標として近年、注目されているPlasma neutrophil gelatinase-associated lipocalin(NGAL)を腎不全を合併した人工呼吸患者において測定し、人工呼吸の経過や呼吸筋力の低下と関連がみられないかを検討した。今年度はまず、基礎的要素としてNGAL測定値に血液浄化法が与える影響を検討した。その結果、NGAL値は血液浄化法に影響されるが、血液浄化法の終了後12時間程度で元の値まで上昇し、血液浄化法を必要としている患者でも腎障害因子の指標としてNGAL値を用いることができる可能性を見出した。今後、人工呼吸経過との関連の検討予定である。
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